ママのママはミルク世代?ママのままはミルク世代今の20代、30代、時に40代の、いわゆる出産年齢にある方の お母さん方で、母乳で育てたという方は、いったいどのくらいいらっしゃるでしょうか。 私が助産師になりたての頃、そう、もう十数年前のことになりますが、 その頃は、けっこうミルク派のお母さんが多くいました。 施設も、当然のことのようにミルクを足していました。 現在でも、まだまだこんな施設は多くあります。 助産師がいない施設もたくさんありますし、 母乳育児の進め方が分からない、というのも原因していると思います。 また、助産師の間でも、意見はまちまちです。 私は機会があるごとに、ママのママに聞いているのですが、それによると少なくとも半数は、ミルクです。 以前、「健康優良児」というのが流行りました。 ミルクでまるまる太った赤ちゃんが、優秀賞に選ばれたりして。 それはともかくとして、今ママになる方のお母さん世代は、ミルク派が多いですね。 病院にお見舞いに来て、大人がまず口にする事。 「こんなに泣いて(泣かせて)可哀想に!ミルクはもらえないの? ミルクあげなくって大丈夫なのおおお~~~」 挙句の果てには、 「ミルクを買ってきて、あげちゃえばいいのよ」なんていったりしています。 そうです。 今、出産なさる方の周りには、母乳経験者があまりいない、ということです。 お友達が母乳で育てたとしても、細々したことをいちいち聞くことが出来る わけではありませんよね。 妊娠して、「よーし、私も母乳でやってみようかな」 と意気込んではみたものの、いざその時になってみると、周りには よきアドバイザーがいない。 母乳を勧めている施設でお産をした場合には、まだ望みがある。 (それでも、母乳が足りていないんじゃないかと不安で、ミルクになってしまうことも、よくある話です) でも、そうでない場合は、母乳の分泌がよほどよくない限り、ミルクになってしまうんでしょうね。 でも、母乳で子供を育てることが、それほどまでに難しいことかな? と私は思うんです。 前にもお話したように、哺乳類は母乳で子供を育てます。 これが普通の形です。 ですから、人間だって、お産を終えたら、おっぱいで育てればいいんです。 それだけの話です。 それが、ミルクというものが頭の端っこにあるから、うまくいかない。 うまくいかなかったら、ミルクがあるさ。 こんな意識がどこかにある。 でも、この世にミルクがなかったら、どうするでしょう? それこそ、泣いたら一生懸命におっぱいを吸わせるでしょう。 出なくとも、赤ちゃんにはママのおっぱいしかないんですからね。 出産後のネコを見たことがありますか。 私はその親ぶりにいつも感心してしまいます。 出産後1週間くらいは、子猫のそばを片時も離れようとはしません。 そして、ずっとおっぱいをあげ続けています。 人間も、こんなだったら、絶対に母乳育児がうまくいくのに、と いつも思わされます。 そして、お母さんたちには、失礼とは思いながらも、 時々、ネコや犬の子育て風景のお話をします。 「他の哺乳類のおかあさんには、学ぶところが多いですよね」と。 ジャンル別一覧
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